会長挨拶


会長挨拶

 沖縄スピリチュアルケア研究会は、沖縄的な文化と自然を大切にしながら、スピリチュアルケアについて研究し学び合い、実践することを目指しています。そして、当研究会は、スピリチュアルケアとは、「よく生きることのケア、生きる力をはぐくむケア」であると捉えています。そのような基本的な了解を共通に持ちながら、私たちは「沖縄スピリチュアルケア研究会」 を、 2019年(平成31年)4月1日 に立ち上げました 。

 では、「スピリチュアル」とは、どういうことでしょうか。いろいろ議論があるところですが、私は、スピリチュアルという語について、主に二つの意味で考えています。 つまり、「宗教的なスピリチュアル」と、「非宗教的なスピリチュアル」です。宗教的なスピリチュアルは、さらに二つに分けて捉えておく方がいいかもしれません。キリスト教や仏教のように、教祖がいて組織・教義・礼典等を持つ場合のスピリチュアルと、沖縄のユタやハワイのカフナ、世界各地のシャーマンのように、主に個人的に活動していて、必ずしも共通の教義や礼典等を持たない場合のスピリチュアルです。非宗教的なスピリチュアルとは、文字通り、宗教が関連しない場合のスピリチュアルです。精神医学や心理学によるケアは、基本的に宗教は関連しません。しかし、いずれにしても、「スピリチュアル」とは、私たちが「生きることと死ぬこと」、「生きる意味、存在する意味」等に関わるものだと言えます。私は、このような二つないし三つの意味でのスピリチュアルなケアが、スピリチュアルケアだと考えています。

 ではさらに、「よく生きる」とは、どういうことでしょうか。この「よく生きる」については、古代ギリシアの哲学者ソクラテスの言葉、「大切にしなければならないのは、ただ生きるということではなくて、よく生きるということなのだ」にヒントを得ています。「ただ生きる」だけでもとても大変な場合があるわけですが、私たちは生きていると、「なぜ生きるのか」、「いかに生きるべきか」等考えてしまうことも多々あるかと思います。ここで詳しく書くことはできませんが、この「なぜ生きるのか」と「いかに生きるべきか」という問いに対する一つの答え、考え方が「よく生きる」 ということだと言うことができると思います。

 ではもう一つ、そのような「よく生きること」、「生きる力を育む」ための「ケア」については、どうでしょうか。この点については、「生きる意味・生きがいの発見ないし創造」が、根本的な重要性を持ちます。「生きる意味・生きがい」を見出し、あるいは創り出すことが、「よく生きること」、「生きる力を育むこと」に直接つながるからです。しかし、「生きる意味・生きがいの発見ないし創造」といっても、どのようにすればいいのでしょうか。それについては、残念ながらこの点についてもここで詳しく書くことはできませんが、アメリカの哲学者メイヤロフ(ケア論)やオーストリアの精神科医フランクル(三つの道ないし価値)が、明確に述べていて、とても参考になります。

 他にも、「よく生きることのケア、生きる力を育むケア」としての「スピリチュアルケア」について、ホスピス・緩和ケア、福祉、教育、哲学、宗教等の分野との関連で、考えたいことがたくさんあります。関心のある方 は、「沖縄スピリチュアルケア研究会」に参加しませんか。一緒に、学び合い、研究し、実践していきましょう 。

                          2019年4月1日   沖縄スピリチュアルケア研究会会長 浜崎盛康